コラム
【第36回 フィーチャーストーリー 有原竜太プロ】~挫折を乗り越えて掴んだ年間TOP16~
最後の最後まで激闘が繰り広げられた2019年度ツアー。ニューフェイスの台頭が例年以上にランキング争いを盛り上げた中、とくに頭角を現したプレイヤーが有原竜太プロです。2018年度の57位から、2019年度では11位に大幅にランクアップ。今回はそんな有原プロにインタビュー。これまでの道のりや飛躍を遂げた理由について聞きました。
■技術の差に挫折。すぐに諦めたプロの世界
ダーツ歴は14年ほどという有原プロ。これまでは、どのような道のりを歩んできたのでしょうか?
「初めてJAPANに出場したのは、2012年のSTAGE3だったと思います。しかし、まわりとの実力差に挫折してすぐにプロとしての活動を辞め、同時にダーツからも遠ざかってしまいました。23歳の頃ですね。ちなみにダーツを始めたのは18歳で、大学生の頃にはダーツバーでインストラクターとして働き、その後ダーツ関係のメーカーに就職しました。プロを諦めた後は会社員として経理や会計の仕事を始めて、ダーツに触れるのは月に1回ほどでした。それも知人に誘われた時だけで、自分から積極的にプレイすることは本当にありませんでした。ダーツを再開したのは仕事のための勉強が落ち着いた2016年からで、改めてダーツを始めてから、1ヵ月で以前16の後半だったレーティングが17前半まで伸びて、4ヵ月後には18まで到達したので自分でも驚きましたね(笑)」
■社会人で培ったスキルを生かして大幅にレーティングをアップ
長い時間をかけて地道に伸ばしていく印象が強いレーティング。たった4ヵ月で急成長を遂げた有原プロにその理由を聞きました。
「外している理由を探したからです。つまり、以前よりも頭を使った練習を繰り返しました。練習方法を見直した理由は大きく2つあり、1つ目はプレイ時間が限られているからです。僕は今でも昼間は会社員として働いているので、まわりのプロに比べて練習できる時間が少なくなります。そのため短い時間で技術を磨く必要がありました。2つ目は社会人生活を通して『スキルを効率的に習得する方法』を身に付けたからです。僕がダーツの練習に応用した方法は『PDCAサイクル』という手法で、PDCAサイクルとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、 Act(改善)の 4段階を繰り返す考え方です」
『PDCAサイクル』を回すことでスキルアップに成功した有原プロ。その具体的な練習方法について聞きました。
「ダーツの練習で解説すると、まずPlan(計画)では『ブルの安定感を高める』という練習計画を立てます。次にDo(実行)で練習を繰り返し、このステップでは自分の問題点を明確にするためにある程度多くの回数を重ねることがポイントです。続いてのCheck(評価)では、その練習から出た結果を評価します。僕の場合、ブルを狙った時に多い外し方は2パターンあり1、18の右上と7、19の左下でした。次の段階では『なぜこの2パターンが多いのか』を評価していきます。それぞれを説明すると、僕は右利きなので、右上に外すのはリリースが早い時で左下は遅い時です。手首の角度などもっと細かなポイントはありましたが、一番わかりやすのはリリースのタイミングのズレでした。その問題点を改善するためにAct(改善)のための練習を行う。この繰り返しです」
■本番用の自分を作る大切さ
2019年度シーズンは8度のTOP16入りを果たした有原プロ。安定感を高めるために、取り入れたことはあるのでしょうか
「練習と本番では、身体の状態がまったく違うことに気が付いたのでコンディション作りに力を入れ始めました。ちなみに、先日出場したスーパーダーツの予選ではモニターに選手の心拍数が表示されていて、僕は180もありました(笑)。そこで、最近は本番でも落ち着いてプレイをするために、手を洗う、トレッキング用のソックスを履くなど、小さなルーティーンを取り入れています。まわりの方々からは『あまり意味がないのでは?』と言われることもありますが、僕は本番用の自分を作ることはとても大切だと思っています。これからも技術とメンタルを鍛えて、さらに上を目指していきたいです」
インタビューを通して、ロジカルな思考が活躍の原動力になっていると感じた有原プロ。1年を振り返って特に印象的だった試合を聞いたところ「STAGE16 神奈川で初めて大城正樹プロに勝てたことがうれしかったです」と笑顔で答えて下さいました。開幕がすぐそこまで迫っている2020年度シーズン。その高い技術力で観客を魅了する有原プロの活躍から目が離せません。
▼選手名鑑(有原 竜太プロ)
https://livescore.japanprodarts.jp/directory_detail.php?p=2564
■技術の差に挫折。すぐに諦めたプロの世界
ダーツ歴は14年ほどという有原プロ。これまでは、どのような道のりを歩んできたのでしょうか?
「初めてJAPANに出場したのは、2012年のSTAGE3だったと思います。しかし、まわりとの実力差に挫折してすぐにプロとしての活動を辞め、同時にダーツからも遠ざかってしまいました。23歳の頃ですね。ちなみにダーツを始めたのは18歳で、大学生の頃にはダーツバーでインストラクターとして働き、その後ダーツ関係のメーカーに就職しました。プロを諦めた後は会社員として経理や会計の仕事を始めて、ダーツに触れるのは月に1回ほどでした。それも知人に誘われた時だけで、自分から積極的にプレイすることは本当にありませんでした。ダーツを再開したのは仕事のための勉強が落ち着いた2016年からで、改めてダーツを始めてから、1ヵ月で以前16の後半だったレーティングが17前半まで伸びて、4ヵ月後には18まで到達したので自分でも驚きましたね(笑)」
■社会人で培ったスキルを生かして大幅にレーティングをアップ
長い時間をかけて地道に伸ばしていく印象が強いレーティング。たった4ヵ月で急成長を遂げた有原プロにその理由を聞きました。
「外している理由を探したからです。つまり、以前よりも頭を使った練習を繰り返しました。練習方法を見直した理由は大きく2つあり、1つ目はプレイ時間が限られているからです。僕は今でも昼間は会社員として働いているので、まわりのプロに比べて練習できる時間が少なくなります。そのため短い時間で技術を磨く必要がありました。2つ目は社会人生活を通して『スキルを効率的に習得する方法』を身に付けたからです。僕がダーツの練習に応用した方法は『PDCAサイクル』という手法で、PDCAサイクルとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、 Act(改善)の 4段階を繰り返す考え方です」
『PDCAサイクル』を回すことでスキルアップに成功した有原プロ。その具体的な練習方法について聞きました。
「ダーツの練習で解説すると、まずPlan(計画)では『ブルの安定感を高める』という練習計画を立てます。次にDo(実行)で練習を繰り返し、このステップでは自分の問題点を明確にするためにある程度多くの回数を重ねることがポイントです。続いてのCheck(評価)では、その練習から出た結果を評価します。僕の場合、ブルを狙った時に多い外し方は2パターンあり1、18の右上と7、19の左下でした。次の段階では『なぜこの2パターンが多いのか』を評価していきます。それぞれを説明すると、僕は右利きなので、右上に外すのはリリースが早い時で左下は遅い時です。手首の角度などもっと細かなポイントはありましたが、一番わかりやすのはリリースのタイミングのズレでした。その問題点を改善するためにAct(改善)のための練習を行う。この繰り返しです」
■本番用の自分を作る大切さ
2019年度シーズンは8度のTOP16入りを果たした有原プロ。安定感を高めるために、取り入れたことはあるのでしょうか
「練習と本番では、身体の状態がまったく違うことに気が付いたのでコンディション作りに力を入れ始めました。ちなみに、先日出場したスーパーダーツの予選ではモニターに選手の心拍数が表示されていて、僕は180もありました(笑)。そこで、最近は本番でも落ち着いてプレイをするために、手を洗う、トレッキング用のソックスを履くなど、小さなルーティーンを取り入れています。まわりの方々からは『あまり意味がないのでは?』と言われることもありますが、僕は本番用の自分を作ることはとても大切だと思っています。これからも技術とメンタルを鍛えて、さらに上を目指していきたいです」
インタビューを通して、ロジカルな思考が活躍の原動力になっていると感じた有原プロ。1年を振り返って特に印象的だった試合を聞いたところ「STAGE16 神奈川で初めて大城正樹プロに勝てたことがうれしかったです」と笑顔で答えて下さいました。開幕がすぐそこまで迫っている2020年度シーズン。その高い技術力で観客を魅了する有原プロの活躍から目が離せません。
▼選手名鑑(有原 竜太プロ)
https://livescore.japanprodarts.jp/directory_detail.php?p=2564